
地域医療支援病院である当院では、地域の医療従事者の皆さまと共に学びを深める場として「地域連携セミナー」を開催しています。
5月13日に開催された本セミナーでは、「必ず役立つPET検査の話」と題し、四谷メディカルキューブ 理事長・院長の安田 聖栄 医師を講師にお迎えし、PET検査についてご講演いただきました。
2005年よりPET/CT装置を導入し、がん検診等のPET検査・人間ドックに携わってきた安田医師より、これまでの豊富な検査実績に基づく知見をご共有いただきました。セミナーでは、PET検査の基礎から最新の活用状況まで、幅広く学ぶ貴重な機会となりました。
PET検査(Positron Emission Tomography:陽電子放出断層撮影)とは、がん細胞が正常な細胞よりも多くのブドウ糖を取り込む性質を利用した検査です。
検査では、微弱な放射線を出すPET薬剤「FDG(エフディージー)」を静脈注射し、その集積の程度を画像化することで、がんの有無や広がりを確認します。
PET検査はもともと、がん患者さんに対して、がんの進行度や転移・再発の診断を目的とした保険診療として用いられてきました。
しかし、多くのがんを比較的早期の段階で発見できることから、近年では健常者向けのがん検診(自費診療)にも活用されるようになっています。
現在では、多くの施設でPETとCTを組み合わせた「PET/CT検査」が導入されています。
PETではがん細胞の代謝活動を、CTでは臓器の形態や位置情報を確認できるため、両者を組み合わせることで、病変の位置や広がりをより正確に把握することが可能となります。
CTだけでは把握が難しい1cm未満の小さながんも確認できるため、CTとの併用によって、より精密な検査が可能となっています。
本セミナーでは、さまざまな症例画像を通して、PET画像の読み取り方や、PET/CTによって小病変を評価した症例などについて紹介されました。

PET検査に対して、「放射線被ばくが心配」という不安を抱かれる患者さんも少なくありません。
セミナーでは、国立がん研究センターなどの情報も引用しながら、病院での放射線検査による医療被ばく(低線量被ばく)については、仮に発がんリスクがあったとしても、その影響はわずかであり、現時点では明確な証明は難しいという科学的見解が紹介されました。

不安や心配がある一方で、PET検査によって得られる情報は非常に大きなものとなります。
検査の特性を正しく理解したうえで、適切に活用していくことの重要性についてもお話しいただきました。
セミナー後の質疑応答では、参加者から多くの質問が寄せられ、PET検査への関心の高さが伺えました。
特に、生理的集積との見分け方や画像読影時の判断についての質問も上がっており、PET検査では経験に基づく読影も重要であることが印象的でした。
PET検査は費用面などの課題もある一方で、PET/CTの有用性について理解を深める機会となりました。
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