7月9日に当院臨床研究センターと地域医療連携センターの合同セミナーを開催しました。「臨床や研究における生成AIの実践的活用法について」と題して、慶應義塾大学病院臨床研究推進センター 教育研修部門長/広報部門長 特任講師の吉田和真先生をお迎えし、生成AIの基礎から医療分野での具体的な活用法まで、実践的な内容についてご講演いただきました。
吉田先生は、生成AIを「24時間、何を聞いても何回聞いても怒らず手伝ってくれる最高の相棒」だと表現しました 。
専門職を対象とした研究で、生成AIの使用により作業時間が平均40%減少し、作業の質が18%向上したというデータも紹介されました
生成AIは、今ある自分の能力や専門性を何倍にも拡張してくれ、一緒にタスクをこなしながら「共創」していくイメージだと説明されました。
共創のためには、以下のような心がけが重要だと述べられました。
みなさんが「面倒だな」と感じているタスクで、生成AIに任せてもリスクが低いタスクに生成AIをぜひ使ってみてほしい、とご紹介がありました。
例えば、
などを挙げられました。
そして、生成AIを利用する上で注意すべき点として、以下の4つを挙げられました。
これらの注意点を守り、適切に活用することの重要性を述べられました。
講演では、研究プロセスにおける生成AIの具体的な活用法が紹介されました。ChatGPTやNotebookLM、Manusといった実際のAIツールを用いたデモンストレーションも行われ、論文の要約やスライド作成を効率的に行う様子を見せていただきました。
最後に吉田先生は、「生成AIは決して専門家を置き換えるものではなく、専門性を何倍にも高めてくれるツール」だと述べられました。
若い医師の教育においては、すでに彼らが日常的に利用しているAIを禁止するのではなく、思考を促進する方向への“使い方のルール”やどのように“問いを設計するか”の重要性について語られました。生成AIをうまく活用することで、メンターメンティー双方にとってwin-winの関係性を築ければと述べ、講演を締めくくられました。
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