開催報告 東京都がん診療連携 地域連携セミナー(2023.12.14)

開催報告 東京都がん診療連携 地域連携セミナー(2023.12.14)

東京都がん診療連携 地域連携セミナーを開催しました

12月14日(木)19時半より当院において「東京都がん診療連携 地域連携セミナー」を、対面とZoomによるオンラインのハイブリット形式で開催しました。
ご参加ならびにご視聴いただきました先生方、地域医療機関様、ありがとうございました。
がん診療支援・緩和ケアセンター長の廣橋 猛医師より開催のご挨拶後、消化器内科 部長 一松 収医師より「大腸癌の早期発見を目指して」と題して、講演を行いました。

まず、2023年1月に更新された大腸がん検診のガイドラインを説明させていただき、次に便潜血検査が陽性になり、当院で大腸内視鏡検査を受けた患者さま174名のうち10名(6%)の大腸癌が発見された症例について解説、共有させていただきました。10名のうち2名の方が40代と若い方でした。
また、当院で治療を受けた9名のうち6名の方が内視鏡治療のみにて治癒的切除が可能でした。
東京都の大腸がん検診の受診率は全国でも低く、台東区はさらに低くなっております。まずは、大腸がん検診(便潜血検査)をおすすめしていただき、陽性者には必ず精密検査を行いますので、病診連携を大切に、地域のクリニックさまや内視鏡クリニックさまとも連携を深め、地域全体で大腸癌の早期発見・治療ができればと考えております、と述べられました。

続いて、「本邦における緩和ケアを取り巻く最新の話題と当科受診方法のご案内」と題して、緩和ケア内科/がん診療支援・緩和ケアセンター長 廣橋 猛医師より講演を行いました。
まず、がん患者さまの身体症状として現れる食欲低下に対する薬と大腸がん特有の痛みについて解説。内服が難しくなった患者さまの選択肢の一つとして使うオピオイド持続皮下注射について、ポンプの種類やメリット・デメリットについてお話ししました。

次に、当院の緩和ケア診療について、初診外来を受診後どのように入院や外来通院になるかなど流れをご説明させていただきました。がん治療が終わってからの緩和ケアではなく、がん治療中から緩和ケア外来に通っていただく「がん治療医と緩和ケア医の二人主治医制」や都内で最近増えてきている「病院緩和ケア医と在宅医の二人主治医制」についてもご紹介させていただきました。
最後に、当院の緩和ケア病棟や一般病棟の面会制限緩和の状況と、緩和ケア初診申し込みについてご説明いたしました。初診は、現在1ヶ月半から2か月待ちではありますが、地域の先生方でお急ぎのご紹介患者さまがおられましたら、地域医療連携センターを通じてご相談ください、とお伝えしました。

今後も当院は、治療から緩和ケアまで切れ目なく、地域のがん診療の中核的な役割を担ってまいります。また、かかりつけ医である地域医療機関の先生方と連携し、患者さまに最適な診療を提供できるよう努めてまいります。