新入職者研修 Day4



口腔ケアは「口腔清掃(器械的口腔ケア)」と「口腔機能回復(機能的口腔ケア)」から成り立ち、誤嚥の予防や“食べる力”の維持につながる重要なケアとなります。誤嚥を防ぐための姿勢や、とろみ調整、食事介助の基本についても理解を深めました。
口腔ケアの目的は、口の中を清潔に保つことに加え、「食べる」「話す」「呼吸する」「表情をつくる」といった機能を維持・向上させることにあります。口腔内の乾燥は機能低下や感染リスクにつながるため、潤いを保つことが大切です。唾液は保湿や自浄、感染予防の役割を担っており、口腔環境を整えるうえで欠かせない存在となります。
口腔内細菌による感染予防の観点から、日々のケアの重要性を学びました。患者さんのセルフケア力を高める関わりとして、ブラッシングの習慣化や、難しい場合にはうがいを取り入れるなど、無理なく継続できる方法を考えていきましょう。

口腔内の観察やケア用品の選択といったチェックポイントについても具体的に学びました。義歯の取り扱いでは、見た目の改善に加え、発音や咀嚼機能の向上につながり、生活の質の維持・向上につながります。
舌苔や口腔内カンジダなどの状態については、正常と異常を写真で比較しながら学ぶことができ、現場での観察や判断に活かしていきたいと感じました。会話や唾液腺マッサージ、口腔機能トレーニングも口腔ケアの一環であり、多角的に関わることの重要性を学びました。
その後の体験実習では、ブラッシング圧の測定を行い日頃の力加減を数値で確認するとともに、口腔模型を用いた実践を通して適切な圧を意識することの大切さを実感しました。ガムを用いた実習では、舌の動きや役割を実際に感じ、口腔機能の重要性への理解が深まりました。
緩和ケアと聞くと、一般的に「終末期医療」というイメージを持たれることが多いですが、実際は「がん」と診断された時から緩和ケアは始まっています。研修では、緩和ケアにおけるQOLの考え方や医療用麻薬について、動画を通して学びました。患者さんが医療用麻薬に対して抱きやすい誤解についても理解を深め、正しい知識を持って関わることの重要性を学びました。
当院では、緩和ケア病棟に加え緩和ケア外来を設けており、がん治療に伴う体調不良への対応や、がんの進行に伴う痛みなどの症状緩和、在宅医療への移行支援など、包括的なサポート体制が整えられています。受け持ちの患者さんが緩和ケアを受ける場面や、緩和ケア病棟へ移る際の意思決定の場において、看護師としてどのように寄り添い、コミュニケーションを図ることが望ましいのかを一人ひとりが考える機会となりました。

痛みには、体性痛・内臓痛・神経障害性疼痛などの種類があり、それぞれ特徴が異なります。研修では、これらの痛みを患者さんがどのように表現するのか、また病状によってどのような訴えにつながるのかについて考えました。
また、痛みを抱える患者さんがより正確に症状を伝えられるよう、どのような声掛けができるのかについても学びました。NRSをうまく活用できない患者さんに対しては、「これまでで一番痛かった経験を基準にする」といった具体的な関わり方が示され、患者さんに合わせた評価の工夫の重要性を理解しました。※NRS(Numerical Rating Scale):痛みの強さを0~10の数値で表す評価スケール
患者さんそれぞれの価値観や生活スタイルによって、どの程度痛みを緩和したいかは異なります。患者さんがとらえている痛みの意味を把握し、多職種で構成されるチームと情報共有を図りながらケアの方向性を検討していくことも、看護師の重要な役割のひとつであると学びました。
認知症は、さまざまな原因により脳に変化が生じ、認知機能が低下することで日常生活に支障をきたす状態を指します。研修では、認知症の基本的な理解に加え、その人らしさを支える看護のあり方について学びました。
認知症の症状は一人ひとり異なり、同じ出来事であっても受け取り方や行動はさまざまです。その背景には、これまでの生活歴や価値観、心理的ニーズが関係していることを理解しました。また、BPSD(行動・心理症状)は、環境や関わり方によって影響を受けることがあり、「なぜその行動が起きているのか」を考える視点の重要性が示されました。言動の背景にある思いやニーズをくみ取り、その人の立場に立って関わることの大切さを学びました。

さらに、認知症のある方にとっての「よい状態」と「よくない状態」のサインを捉え、安心して過ごせる環境を整えることも看護師の役割のひとつです。短く、ゆっくり、目線を合わせて関わるなど、基本的なコミュニケーションの重要性について理解を深めました。
今回の研修を通して、認知症のある方の「その人らしさ」や尊厳を大切にしながら、多角的に関わっていくことの重要性を学びました。
2週間にわたる研修の中でも特にぎゅっと詰まった1日でした。おつかれさまでした!
本日学んだことを少しずつ自分のものにしていけるよう取り組んでいきましょう。