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nurse_days ナースの日々

ラダーⅠ トライ者研修 「対人関係 リフレクション1」

6月27日に、当院緩和ケア認定看護師による「看護部ラダーI トライ者研修 対人関係」が開催されました。
「みなさん、看護師になって少し経って、色々と思うことが出てきたころかと思います。『対人関係』は、看護職ではすごく大事なキーワードになってくると思います。肩肘張らずに、色々なことを思い出しながらこの研修を聞いてもらえたらと思います」という言葉からスタートしました。

研修の目標
  • 自身の傾向を知ることで明日からのコミュニケーションに活かすことができる
  • 新たな環境における他者(患者さん含め)との関係構築の方法が取得できる

「自己肯定感」チェック

まずは「自分を知ってみよう」ということで、自分の強み・弱みを書き出すことから始まりました。
「強み」より「弱み」が多かった場合は、「自己肯定感=ありのままの自分を肯定し認めることができる感覚」が低くネガティブな感情を抱えている状態である可能性が高いとのことです。
ここでは、チェックリストを使いながら、それぞれが自分の心の状態と深く向き合いました。

リフレーミングについて

自己肯定感が下がっている状態を上げていくのに役立つテクニックが、

「リフレーミング=すでにその人が持っている意味づけや解釈を、異なる視点で捉え直すための技法」

です。身近な会話でよく耳にする言葉も、言い換えるだけで捉え方も変わり、気分や感情を変えられるということを学びました。

  • アサーティブ行動とは

自己表現には3種類あり、その中のひとつ

「アサーティブ行動」とは、「自分の考えや気持ちを素直に伝え、自分も相手も大切にした自己表現をする」

ことを意味します。自己肯定感が高い人は、自然とアサーティブな行動が取れる傾向にあるそうです。

この3つの自己表現で一番理想的とされる「アサーティブ行動」が取れるようになると、他者とのコミュニケーションに自信が持てるようになります。
以下の7つのステップを参考にしてみましょう。

I(アイ)メッセージとYOU(ユー)メッセージ

「I(アイ)メッセージ」とは、自分が主語「私は・・・だ」と意思を伝える表現方法で、「YOU(ユー)メッセージ」とは、相手が主語「あなたは・・・だ」と意思を伝える表現方法です。
感情的になると、つい「YOUメッセージ」になりがちですが、自分を主語にして「Iメッセージ」で伝えるようにすることで、相手を尊重しつつ自分の気持ちを伝えられるようになります。

  • 例:どうして勉強してこなかったの、どうするの?

               →何か勉強できなかった理由があったのかな?聞かせてもらえたら、
     一緒に無理のない目標が立てられると思うよ!

  • 「嫌だな」と思う理由と向き合ってみる

過去怒られた経験や、嫌なことがあったりすると、次も怒られるんじゃないか、、と予測して不安になってしまう心理現象があります。とはいえ、「怒られそうだから言えない、言いたくないなぁ」で放ってしまうと、そこから成長できません。
看護は成功体験と失敗体験の両方から学んでいくものです。自分の課題と向き合うことは、苦手分野を減らす一歩です。自分に足りていないもので、先輩や他の人がうまくできていることは特に積極的に質問やアドバイスを求めて身につけていくことが大切だと学びました。

「わからないことがわからない」状態が続く新人時代には、下記のような行動を進んでとるようにしてみましょう。
  • 今日自分が学んだこと・体験したこと・感じたことなどを指導者に伝えるようにしてみましょう
  • 自分はこの業務をわかっているのかと自分に問いかけてみましょう
  • 会話でわからない言葉をメモし、質問してみましょう

ストレスコーピングの必要性

緩和ケアにおいては、患者さんに一度に多くのストレスが押し寄せます。患者さんだけではなく、看護する私たちにも多大なストレスがかかってきます。
「ストレスコーピング」とは、要は「ストレス解消法」のことで、できるだけたくさん「ストレスコーピング」を持つことが、心身の健康を保つためのテクニックとなります。
患者さんとは、その人それぞれの背景を考慮しながら、うまくいった方法について話し合い一緒に探し出していくことが必要になっていきます。
自身についても、自分にあったストレス解消法を見つけ、上手に心と身体を休める時間を作るようにしましょう、とアドバイスいただきました。

「エゴグラムチェックリスト」でわかること

「エゴグラム」とは、50問の質問に答えることで、人が持つ自我状態(エゴ)を5つのパターンに分類し、心理状態を分析できる心理検査です。
自分の行動パターンや性格を客観的に把握し、コミュニケーションの改善や自己分析などに活かすことができるということで、今回みなで挑戦し、改めて自分の傾向を知ることができました。

リフレクションについて

看護職においての「リフレクション」は、「経験から得られる知識を身につけていくために意識して経験を積んでいく」ことになります。
毎日の経験の積み重ねを、意識して行うことで、本当の意味で「身につける」ことができるということです。
リフレクティブな看護師になるためには、以下のような姿勢が大切です。

  • 行為についてのリフレクションを意識して行うためには自分が行った看護を振り返るトレーニングを積む
  • 状況を判断して働きかけ、それを振り返ることによって次の働きかけを行い、患者さんの持つ本質的な問題に届く実践を行う

このトレーニングを習慣化することで、その状況でいかに異なる対処ができたか、他のどんな知識が役に立っただろうかと探求することができ、状況に適した解決ができるようになっていきます。言われたことをするだけではなく、言われたことの意味や背景を考え、この「リフレクティブサイクル」に沿って考える練習をしながら、より良い看護につなげていこうと思いました。

ものごとをありのままに見ることの大切さ

事例をもとに、グループワークで考える時間では、

  • 「目的を明確にする」
  • 「看護記録を想起して実践を記述する」テクニックを学びました。


「患者さんに何かしてあげたい」という気持ちは大切ですが、この気持ちが強すぎると邪魔になり、患者さんの状況を見極めることができなくなってしまうそうです。客観的に患者さんの状況を把握するようにして、患者さんの中でひとかたまりになっている様々な現象を分けて考え、起こっている事柄の解釈を進めていくことが、何が本当に必要な援助なのかを考える上で重要とのことでした。

2時間に渡り、色々な方向から自分と向き合うことができた研修でした。
目標として掲げていた「自身の傾向を知り、他者との関係構築の方法を知る」
が達成できたように感じました。
早速明日からの現場で実践していきたいと思います!

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